相続放棄と葬儀代に関するQ&A
- Q自腹で葬儀代を負担しても相続放棄できますか?
- Q相続放棄をする場合、遺産から葬儀代を出してはいけませんか?
- Qどういったものについては遺産から出してよいのでしょうか?
- Q遺産から葬儀代を支払う場合、何か注意点はありますか?
- Q相続放棄する場合、香典は受け取ってはいけませんか?
Q自腹で葬儀代を負担しても相続放棄できますか?
A
できます。
被相続人の葬儀をする行為は相続放棄の可否には影響がなく、葬儀代を被相続人の財産から支出していないのであれば、相続放棄ができなくなることはありません。
Q相続放棄をする場合、遺産から葬儀代を出してはいけませんか?
A
相続放棄をする場合、原則としては被相続人の遺産に含まれている現金、預貯金は一切使ってはいけません。
ただし、葬儀代については、例外的に一定の条件のもとで使用しても相続放棄ができる(法定単純承認事由に該当しない)旨を示した裁判連があります。
一定の条件とは、社会通念上相当といえる金額であることです。
葬儀代に充てるからといって無制限に遺産を使用してよいわけではなく、被相続人の人間関係や社会的地位などからみて分相応な葬儀代であれば、遺産を使用してもよいということです。
感覚的にいえば、できるだけ控え目な規模・葬儀費の葬儀を執り行うと無難であるといえます。
Qどういったものについては遺産から出してよいのでしょうか?
A
先ほど説明しました葬儀費以外には、基本的には遺産から支出してもよいものはないとお考えください。
例外的に、形見分け程度であれば、被相続人の財産を相続人が取得しても法定単純承認事由には該当しないとされています。
Q遺産から葬儀代を支払う場合、何か注意点はありますか?
A
社会通念上相当といえる金額の葬儀代にすることのほか、相続放棄後に相続放棄の効力を争われた場合に備え、葬儀代に使用した金額を客観的に示せるようにしておくことも大切です。
葬儀代を支払った際には、領収証を取っておきましょう。
また、香典返しや、墓地購入費、四十九日の費用は遺産から支出することはできませんので注意しましょう。